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奥三河星空コラム

散開星団はどうして出来るの?

オリオン大星雲

星空案内人、横幕です。
夜空を見上げると、そこには沢山の星々が、輝いています。
明るい一等星、天の川銀河、星座を形作る星々が季節ごとに楽しむことができます。
中には銀河や星雲、肉眼でも沢山の星が集まっているのがわかる星団などもあります。
今回は、その中でも、星々が集団を作っている『散開星団』について、お話をしたいと思います。
★星の材料

星の材料

恒星(以降は星とします)が生まれるには、宇宙空間に漂う、ガスやチリが必要になります。
星間ガス、分子雲や、星雲、超新星爆発した残骸、等々・・・。
小さなガスやチリにも質量があり重力を持っています。
それがたくさん集まれば、重力も強くなって行きます。
漂っていたガスやチリはやがて自然と集まりだし、濃い場所と薄い場所が出来ます。
そういった集まりが、あちらこちらにできるのですね。
星のゆりかご

オリオン大星雲

代表的なところが、オリオン座のM42オリオン大星雲です。
他にもM16わし星雲の創造の柱や、馬頭星雲などの、光に反射していない、また、遮っている暗黒星雲などがあります。
そこでは、一つの星ができるのでは無く、あちらこちらに、ガスやチリが集まり、重力の大きなところができ、星の卵がたくさんできます。
それらがお互いに引き合い合体したり、突き放したりしながら、次第に大きくなり、一人前の星になっていくのです。
星の産声

かに座プレセぺ星団

星が輝きだすと、恒星風により、周りにあるガスを吹き飛ばします。
今までガスやチリに隠れていた星が姿を現します。
そこには、たくさんの星が姿を見せて輝き始めます。
集団の星は、それぞれの重力の影響で、重星になったり、弾き飛ばしたりします。
この様に、分子雲から同時に生まれた星同士がいまだに近い位置にある状態の天体のことを散開星団と呼びます。
星の集まり

プレアデス星団

オリオン座大星雲の中にあるトラペジウムと呼ばれる4つの星のあるあたりには周りのガスが吹き飛ばされた姿を見せています。
おうし座のM45プレアデス星団、ヒヤデス星団、ぎょしゃ座のM36、M37、M38、双子座のM35、いっかくじゅう座のバラ星雲にある散開星団NGC2244など、冬の夜空にはたくさんの散開星団があります。
星の旅立ち

オリオン座

初めは同じ星雲、分子雲から生まれた星たちも、動く方向が、違って来て、時間と共に離れて行く星があります。
起源を同じくする散開星団よりも結びつきが小さい星の集まりをアソシエーションと呼びます。
オリオン座に見られます。
星団から弾き飛ばされた星は、広い宇宙空間を、1人旅をする事になるのです。

太陽にも兄弟の星があったと思われていますが、それがどれなのかは、まだわかっていません。

星雲や星団のお話は下記のコラムも参考にしてみてくださいね。
奥三河の夜空では沢山の星団を見つけることができます。
夜空を眺め、星々の誕生の物語に想いをはせて見てはいかがでしょうか。

コラムby奥三河星空案内人 横幕浩
KEYWORD
#散開星団 #星団 #天体 #星の誕生