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奥三河星空コラム

2021年11月8日昼間の金星食

◆◆注意◆◆
今回ご紹介する内容は昼間の現象です。
太陽を望遠鏡で見てしまうと大変危険!失明してしまいます。星空案内人など専門家の案内で安全に見るようにしましょう。
 秋、夜が早まってきました。夕方西の空を見ると明るい星が見えませんか?
 それは金星です。夕空とのコントラストのせいか、色味もきれいに感じます。
金星は目で見えてとても明るいので、メソポタミア時代以降世界各地で神と結び付けられ、ローマ神話の愛と美の女神「ビーナス」が英語名になっています。日本でも枕草子に「ゆふづつ」として、すばるや流れ星と並び賞されています。
科学的な調査も進んでいて、地球から見えない地面の地形や地球と異なる大気の状態などが解き明かされてきています。
 金星についての色々な解説はこちらのコラムをご覧ください。
 金星は目で見ると光る点に見えますが、望遠鏡で見ると時期によって満ち欠けして形が違って見えたり、大きく見えたり小さく見えたりします。最近はこの写真撮影時に近い半円型に見えています。

金星

【写真1】 望遠鏡にスマホを当てて2020年4月6日筆者撮影

 形や大きさが変わるのは、太陽の周りを金星と地球が回り、星どうしの位置が変わるからです。
星どうしの位置が変わるとたまに珍しいことが起こります。
2021年11月8日月曜日の昼過ぎに、地球の周りを回る月が金星と地球の間を通り過ぎ、地球と月と金星がちょうど一直線に並びます。
金星が手前の月に隠されて見えなくなる現象で金星食と呼ばれます。

この金星食が起こる時南の空を見ると、写真2に示すように晴れていれば月齢約3の細い月があり、天体望遠鏡を使うと月の南東側に金星が白く見えるでしょう。
例えば設楽町田口では13:45ころに月の暗い側の縁に金星が隠され始め、約45分後の14:31分ころに月の明るい側の南西の縁から金星が姿を現すことが予報されています。

写真2

【写真2】2021年10月10日に筆者撮影の月と写真1を合成


◆◆もう一度注意◆◆
金星を見ようとして近くの太陽を望遠鏡で見てしまうと大変危険!失明してしまいます。星空案内人など専門家の案内で安全に見るようにしましょう。


金星食の後、11月8日の夕方には金星の左上に月が見えるでしょう。
お互いの軌道の間に角度があるため、月と金星が重なる金星食はしばらく起こりません。
これからも毎月、金星の近くを月が通り抜けていきますが、日本から次に金星食を見られまでに129回通り抜け、130回目に通り抜けるときに金星と月がまた重なって見られます。2032年になります。
皆が幸せに暮らせているといいですね。
コラムby 
奥三河星空案内人2号 富坂学
KEYWORD
#金星食 #天文現象 #金星 #惑星 #太陽系 #Venus