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奥三河星空コラム

秋の星座「やぎ座」のお話

やぎ座

星空案内人、横幕です。
今回は、秋の星座「やぎ座」のお話です。

やぎ座は、黄道十二星座の一つに数えられています。
「黄道」とは太陽の通り道、一年かけて太陽が星座の中を移動していくところです。
この黄道には、みずがめ座、うお座、おひつじ座、おうし座、ふたご座、かに座、しし座、おとめ座、てんびん座、さそり座、いて座、やぎ座、12の星座が並んでいます。
これを「黄道十二星座」と呼びます。
古代に行われていた占星術から、星座占いでは、生まれた日に太陽が黄道十二星座のどの位置にあったのかで誕生星座が決められます。
やぎ座生まれと言うと太陽がやぎ座の位置にある月に生まれた・・・と言うことなのですが、今は、生まれた月の太陽と星座の位置はずれています。
やぎ座の見つけ方2021

やぎ座の見つけ方2021

やぎ座をつくる星は3等星以下の暗い星のため、なかなか見つけることができません。
しかし今年(2021年)は、やぎ座のある位置に木星と土星がいます。
やぎ座を探す際の良い目印になるので、まずは南の空に輝く木星と土星を見つけてみましょう。
木星と土星の明るさは約0等級で、街中でも肉眼で見つけられます。

やぎ座は星座線で結ぶと、逆三角形のような形をしています。
なんだかニッコリと笑っている口のようにも見えますね。
一度見つけてしまえば印象に残るのではないでしょうか。

また、やぎ座にはα星、β星などの二重星やM30球状星団のM天体が有ります。
やぎ座の神話 パニ!パニ!パニック?牧神パン!

やぎ座

やぎ座の星座絵を見てみましょう。
上半身はヤギ、下半身はサカナと、不思議な恰好をしていますね。
一体なぜでしょう?
・・・これは、ある神様の物語を聞くとわかります。

このお話の主人公は牧神パン。
パンは牧人と家畜の神様で、上半身は人間、下半身はヤギ、頭にはヤギの角と立派なヒゲをたくわえた姿をしています。
父親のヘルメスは、大変珍しい姿で誕生した我が子をオリンポスの神々にお披露目しました。
赤子の奇妙な姿と愛嬌のある顔に、全ての神々が喜び、その子は「全て」を意味する「パーン」と呼ばれるようになったのです。
牧神パンは、愛嬌があり明るく朗らかな反面、怒ると我を忘れ恐慌を撒き散らし、全てのものが恐怖と不安にふるえさせたそうです。
この事から、パニックの語源になったと言われています。

ある時、川のほとりでギリシャの神様達が全員あつまって、パーティーを開きました。
大変な盛り上がりを見せている中、突然、会場にテュポンという怪物が飛び込んできました。
テュポンは、神様達から嫌われ除け者にされていた腹いせに大暴れをし始めたのです!
不意をつかれた神様達は、それぞれ動物に変身して逃げ出します。
パーンはヤギに変身して逃げ出そうとしましたが、目の前は川!
今度は魚に変身しようとしましたが、恐怖と不安で気が動転し、上手く魚に変身できません。
その結果、上半身はヤギ、下半身は魚という姿で川に飛び込んでしまったのです。
まさに、パニック!
一部始終を見ていたゼウスや他の神達は、その姿があまりにも面白かったので星座にしてしまいましたとさ・・・。

暗い星でできているやぎ座も、奥三河の夜空であれば見つけやすいと思います。
牧神パーンの笑い話を思い出し、やぎ座の形と同じ様なニッコリ笑顔で星座を探してみてくださいね♪

コラムby 星空案内人 横幕浩
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