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奥三河星空コラム

あの星なぁに?第2話「星は何色?」

夜空をながめていると、星にはいろいろな色があることに気づきます。「なんかあの星、赤っぽいな」とか。なぜ星にはこんなに色があるのでしょう?

アンタレス

夜空に輝く星のほとんどは恒星です。太陽と同じように核融合反応で自ら光る恒星の色は、星の表面温度で決まります。赤い星は温度が低く3000度くらい。青白い星は温度が高く1万度以上。太陽のように黄色から白っぽい星は6000度程度の表面温度です。赤く見える「ストーブ」が熱いものの代表に思えますが、熱せられて青白く光るものは、もっとずっと熱いのです。

「色」とは光の波長のことです。目から入った光の波長の違いを、脳が色として認識しているのです。人間の目の網膜には、明暗を認識する「桿体(かんたい)」と、色を認識する「錐体(すいたい)」という2種類の視細胞があります。錐体は3種類あり、長波長の光、中波長の光、短波長の光を分担して感じ取っています。長波長の光は赤く、短波長の光は青く見えます。中波長の光は緑色に見えるのですが、これが届くとき、長波長・短波長の光もそれなりに目に届いてしまいます。そのため、赤・緑・青が適度に混ざって白っぽい色に見えてしまい、緑色にみえることはありません。赤い星、黄色い星、白い星、青白い星、青っぽい星、様々な色がありますが、なかなか緑色の星がないのは、そういうわけなのです。

火星

一方、夜空には月や惑星のように、太陽の光を反射して光る星もあります。それらは、その星の表面で反射された光の色が見えています。火星は表面の地面が赤い(主に酸化鉄と言われています)ので赤く見えています。木星の少し黄色みがかって見えるのは、木星の大気(主に水素とヘリウムガス)の一番上の層の色が見えているからです。天体望遠鏡で見る海王星が青っぽく見えるのも、大気(メタンガス)の色です。宇宙から見た地球が青く見えるのは、海の色ですね。

春の代表的な1等星は特徴的な色をしていて、素敵な名前がついています。うしかい座の0等星アルクトゥールスは、黄色っぽく表面温度は4000度くらいで、人によっては「金色に見えるよ!」という星。麦を収穫する春のころ見えるので「麦星」という名前がついています。もう一つは、おとめ座のスピカ。青白く輝く1等星。表面温度はなんと2万5000度。「真珠星」と言われます。どちらも春の宵のころ南東の空に見えるので、「夫婦星(めおとぼし)」とも呼ばれ、都会の夜空でも見つけることができます。ぜひ探してみてください。

雪の多かったこの冬も終わり、奥三河にも春が来ました。奥三河各地での星空観察会も今シーズンの開幕です。愛知県で星空に一番近い、空気の澄んだ奥三河で、今年もいろいろな色に輝く輝く満天の星を堪能しましょう!お待ちしています!
コラムby奥三河☆星空案内人3号 平野 宗弘
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#あの星なぁに #星の色 #一等星 #スピカ #アルクトゥールス