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奥三河星空コラム

皆既月食・天王星食2022

2022年11月8日、1年ぶりに月食が起こります。
また、大変珍しい天王星食も同時に見れるチャンス!

今回のコラムでは、こちらの天文現象についてご紹介いたします。
皆既月食2022
今回の皆既月食はとても条件がよく、観察するには最適です。
夕方、18時すぎに、東の空に上ってきた月が欠け始め、19時16分に皆既が始まります。そして、20時42分まで1時間半もの間、皆既の状態が続きます。前回2021年5月26日の皆既月食は皆既継続時間は、たったの19分でしたから、今回はその神秘的な深く赤い色をじっくり楽しめそうです。

高いビルや山のない東の空が開けた場所を探して待ち構えましょう。学校や仕事も終わり、夕食後の家族や友達と見られるちょうどよい時間帯です。

月食は地球の影に月が入る現象ですから、月は地球をはさんで太陽の反対側。月が正面から日を受ける満月の時に起きます。ただ、満月の時にいつも月食になるわけではありません。月が地球を回る軌道面と地球が太陽をまわる軌道面が微妙に傾いているからです。およそ年に2回月食になるチャンスがあります。今年は1回ですが、昨年は2回月食がありました。

満月の時は明るい月夜ですが、皆既の間、夜空は闇夜です。奥三河のような暗い夜空では皆既の間だけ天の川が見えるでしょう。
天王星食

写真は設楽町にある「つぐ高原天文台」にて撮影された天王星です。

今回の皆既月食中の暗い夜空で、天王星食(天王星が月に隠される)が起こります。
天王星食自体がめずらしい現象で、それが皆既月食中に起こるのです。ドすごい!

どうすごいかというと、
太陽と地球を結ぶ直線上を、地球を回る月が通過する時、そのはるか先の天王星が「同じタイミングで」その直線上にいるのです。どっちを見るのか迷います。いや、いっぺんに見えるのです!

 太陽と地球の距離は、1.5億km
  地球と月の距離は、39万km
 地球と天王星の距離は28億km

月の約7000倍先の惑星が月と重なるのです。
しかも、その月は、1.5億km離れた太陽に照らされた地球の影の中に入っている!!(※)

とは言え、まずは落ち着いて、肉眼で月食を楽しみましょう。
双眼鏡や天体望遠鏡を持っていたり、天体望遠鏡での観望会に参加できたら、天王星食も見えるかもしれません。
天王星がどんな星か知りたい方は、奥三河星空コラム「天王星」をご覧くださいね。
今回の月食や天王星食が起こるのは平日ですので、なかなか奥三河でも観察会を開くのは難しいかもしれません。
SNSなどでアナウンスがあるかもしれませんから気にしていてください。
次の皆既月食は、3年後、2025年9月8日の夜明け前です。
晴れを祈って、お楽しみに!
(※)天王星食の名古屋での 潜入は20:34(皆既終了前)、出現は21:21(皆既後の暗縁側から)です。

名古屋市科学館や国立天文台では、公式YouTubeチャンネルでライブ配信を行うようですよ。
今回の皆既月食のより詳しい情報は下記をご参考ください。
東三河地域での過去の月食

2021年11月18日 ほぼ皆既月食(食分98%)の様子 豊橋技術科学大学 キャンパスにて。

今回も東の空でこんな感じに見えるでしょうか。

2018年1月31日の皆既月食の様子
東栄町 月小学校校庭にて

(※写真は許可を得て撮影しています。)


コラムを読んで、素敵な天文現象を楽しんでくださいね。

コラムby
 奥三河☆星空案内人3号
 つぐ高原天文台 台長  平野 宗弘
KEYWORD
#皆既月食 #天王星食 #天文現象 #天王星 #