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奥三河星空コラム

2023年 注目の天文現象

新年あけましておめでとうございます。

コロナの流行が何度もピークに達し、その度に翻弄される日々が続いています。
私たち人類もその経験を通じて、様々な学びをすることができたと、前向きに受け止めたいと思っています。

振り返れば2022年は、星空案内人養成講座「おくみかわ星空講座」の再開、つぐ高原天文台のリニューアルオープン、星空観察会てんくうの開催、のき山学校星空観察会のオンライン配信の継続等、奥三河における星空に関する活動の主催・協力を行い、奥三河☆星空の魅力を伝える会として実り大き年でありました。

困難の中であっても、未来に向けて、一歩つず着実に歩みを進められるような活動を続けていきたいと思います。

さて、新しい未来の幕開けとしたい”2023年注目の天文現象”を紹介します。

まずは、カレンダー形式での列記です。
2023年 注目の天文現象カレンダー
 1月 4日 しぶんぎ座流星群がピーク
   30日 水星が西方最大離角(早朝の東の低空)
 4月12日 水星が東方最大離角(夕方の西の低空)
   20日 オーストラリア周辺で金環皆既日食
       (日本の南方で部分日食)
   23日 こと座流星群がピーク
 5月 6日 半影月食
       (肉眼ではほとんどわからない月食)
    7日 みずがめ座η流星群がピーク
   28日 くじら座のミラが極大光度のころ
   29日 水星が西方最大離角(早朝の東の空)
 6月 4日 金星が東方最大離角
       (夕方の西の空、光度-4.4等)
   11日 はくちょう座χ極大光度 
 7月 7日 七夕
       金星が最大光度(-4.7等)
   20日 水星、金星、火星、月が並んで見える
 8月 2日 2023年8月1回目の満月
   10日 水星が東方最大離角(夕方の西の低空)
   13日 ペルセウス座流星群がピーク
   22日 伝統的七夕(旧暦7月7日)
   28日 土星が衝
   31日 2023年8月2回目の満月
       ※見かけ上、今年最大の満月
 9月19日 金星が最大光度(-4.8等)
   20日 海王星が衝
   22日 水星が西方最大離角(早朝の東の低空)
   29日 中秋の名月(満月)
10月22日 オリオン座流星群がピーク
   24日 金星が西方最大離角(明け方の東の空)
   29日 部分月食
       (明け方の西の空、僅かに欠ける) 
11月 3日 木星が衝
   14日 天王星が衝
   18日 しし座流星群がピーク
12月 4日 水星が東方最大離角(夕方の西の低空)
   15日 ふたご座流星群がピーク
      (日本では14日の夜半-15日の夜明けにかけて)
2023年のオススメは!2つの流星群!
2023年は日食や月食などの注目する天文イベントがあまり見られない感じがしますが、一方でじっくりゆっくり見られる天文現象をお勧めできます。
一番の注目は、二つの流星群です!

8月13日 ペルセウス座流星群
夏休みお盆期間でもあり、寒くなく、ゆっくり楽しめる流星群です。観察する時間にもよりますが、月明かりも少なく暗い流星も見られると予想しています。流星群は、特定の場所でその日ドンピシャでないと見られないというものではありません。その前後、数日間で天気の良いタイミングを見計らい、空の暗く見通しの良い場所で観察できる、じっくりのんびり楽しめる天文現象です。シートを広げて寝転びながらゆっくり見られるように準備をしておきましょう。
12月14日〜15日 ふたご座流星群
冬の極寒期に入る12月。星空は流星で賑わいます。2023年のふたご座流星群のピークは15日の明け方、つまり、14日夜から翌日の朝にかけてが見ごろです。ふたご座流星群も月明かりが少なく楽しめます。夏のペルセウス座流星群とは比べ物にならない「寒さ」との戦いとなりますので、防寒対策を完璧にして、寒空に流れる光の矢を楽しみましょう!
惑星の見どころ
春「金星」
2022年末ごろから夕方低空に明るく輝く星が目立つようになりました。それが、金星です。日々高度を上げ徐々に見やすくなっていきます。その金星は、6月4日に太陽から見かけの距離が一番離れる東方最大離角を迎え、7月7日には最大光度-4.7等となります。-4.7等というと、全天で一番明るい恒星シリウスの約35倍、織姫星で有名なベガ(0等)の75倍の明るさです。この冬から春、夏まで長い間楽しめます。
望遠鏡を持っている人は是非、継続的に観察してみましょう。現在はほぼ丸に見える金星は、徐々に大きくなっていくとともに、欠けて見えるようになります。東方最大離角を迎えるころには半月状に、その後はさらにかけて大きく見えるようになっていきます。満ち欠けの様子や見える大きさの変化も楽しめますよ。
秋以降「土星」「木星」

夏以降は、地球よりも外側を回る惑星たちが見ごろになります。8月28日に土星、9月20日に海王星、11月3日に木星、11月14日に天王星が衝を迎えます。衝とは、地球から見て太陽の正反対の位置に来ること。つまり、太陽が沈むときに東の地平線から昇り、翌日の日の出のときに西の地平線に沈む・・・一晩中夜空に輝いて見えます。
土星は輪をもつ惑星として有名。その輪も徐々に見える傾きを変え、数年後には地球から真横を見る角度になり、見えなくなってしまいます。数年かけて、その傾きの様子を観察するのも楽しいです。
木星はその近くに「ガリレオ衛星」と呼ばれる4つの「木星の月」が、日々、行ったり来たりするのが観測できます。是非、望遠鏡で観察したい対象です。
木星・土星の外側には、天王星・海王星があります。木星・土星を見たついでに探してみるのがいいでしょう。

さて、2023年の注目の天文現象を紹介しました。
天文現象や流星群がなくても、十分楽しく過ごせるのが星空観察。夜空の暗い場所、街明かりが多い場所、それぞれの楽しみ方で、星空を満喫しましょう。
コロナの終息も道半ば。まだまだ完璧はないけれど、対策も見えてきました。

2023年は、これまでの「学び」を活かし、新しい挑戦で、新しい時代の創造ができることを願っています。

それでは、2023年も星空の下でお会いしましょう!!

※今回の記事内で紹介した、天文現象の日時等のデータは、下記を参考にています。
コラムby 奥三河☆星空の魅力を伝える会 星のソムリエ®︎ 萩野祐司

※星のソムリエ®︎は星空案内人資格認定制度運営機構の管理・運用する商標です。
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