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奥三河星空コラム

織姫ベガと彦星アルタイル

7月7日は七夕(たなばた)。今回は、織姫と彦星のお話です。
七夕伝説のお話しは、奥三河星空コラム「天の川と七夕のお話」をご覧ください。

織姫は、こと座の ベガ
 明るさは、0.0等星(1等星よりさらに1等級明るい)
 地球からの距離は、25光年(意外に近い星)
 大きさは、太陽の2.6倍(大きい)
 表面温度は、9500度(太陽が5800度ですからかなり熱い)

★織姫 ベガ(2023.6.16つぐ高原天文台にて撮影)
背景の天の川の星々よりはるかに明るく見えます

彦星は、わし座の アルタイル
 明るさは、0.8等星(1等星より少し明るい。ベガより少し暗い)
 地球からの距離は、17光年(さらに近い)
 大きさは、太陽の1.9倍(ベガより少し小さい)
 表面温度は、8250度

★彦星 アルタイル(2023.6.16つぐ高原天文台にて撮影)
ベガより天の川の川辺に近い分、背景の微光星がたくさん見えるようです

織姫ベガと彦星アルタイルの直接の距離は、おおよそ15光年。織姫が「大好き!」と超強力な電波で叫んでも彦星に届くのは15年後。彦星の「僕もだよ!」という返事が聞けるのは30年後となります。「今すぐ会いに行くから!」と光速で飛ぶ宇宙船に乗っても、会えるのは15年後。行ったり来たり会うたびに30歳ずつ歳をとるのはちょっとかんべん。毎年会うのは無理そうです。そんな二人の大変な逢瀬(おうせ)を鵲(カササギ)という鳥が助けたという言い伝えが中国にはあるそうです。

2つの星の大きさは、どちらも太陽の2倍程度です。太陽は地球の109倍ですからどちらも大きく思えますが、宇宙ではごく普通の恒星です。
温度はどちらも1万度に近いので、結構お熱い二人です。

夏の宵の空、北東の地平線から織姫ベガが先に昇ってきます。その3時間後、追いかけるように彦星がほぼ東から昇ってきます。そして夜明け前、西の地平線に沈むときには、二人はほぼ同時になかよく地平線へ消えていきます。そんな様子から毎年の逢瀬を語る伝説が生まれたのかもしれません。実際の空で確かめてみたいところですが、明け方まではなかなか起きていられないので、11月末ころの夜、沈むところを探すのがよさそうです。星座早見盤で確かめてみてくださいね。

織姫ベガの周りには「織女三星」と呼ばれる星が、織姫ベガとあわせて正三角形に並んでいます。織姫ベガ以外は5等星ですから、奥三河のような十分暗い夜空で探してみましょう。彦星アルタイルも近くに3等星と4等星の二つの星を従えています。どちらも織姫、彦星の子どもたちと言われていたそうです。

織姫・彦星とつぐ高原天文台



さて、今年の(旧暦)伝統的七夕は8月22日。7月の梅雨のころには見られる機会が少なくても、夏休みいっぱい、8月の終わりころまで七夕の星々を楽しみましょう。奥三河の星空観察会でお待ちしています!

 つぐ高原天文台 台長 平野宗弘(星のソムリエ®)
KEYWORD
#天文現象 #七夕 #織姫ベガ #彦星アルタイル