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奥三河星空コラム

そうだ奥三河に行こう!冬の星座 うさぎ座のお話

奥三河星空案内人、横幕です。
空気が澄んで星がきれいに見える冬。今回は私の好きな冬の星座の一つ、うさぎ座のお話をしたいと思います。
うさぎ座はどこに見える?

オリオン座とうさぎ座

小さなうさぎ座は、夜空の明るい街中では見つけにくい星座です。しかし、均整の取れた愛らしい形をしているため、古くから親しまれてきました。
うさぎ座を観察するには、まず冬の星座の代表格・オリオン座を見つけましょう。うさぎ座はオリオン座の南の位置に輝いています。
星座早見盤や星空アプリと見比べながら夜空の星を結べば、狩人オリオンの足元を逃げまわるうさぎの姿が浮かび上がってきます。
うさぎ座の星

うさぎ座

★うさぎ座のα星「アルネブ」
うさぎ座のα星(星座の中で一番明るい星)はアルネブ(Arneb)という約2.5等星の明るさの恒星です。アルネブはアラビア語でうさぎを意味する言葉に由来しています。

うさぎ座R星

★うさぎ座R星「クリムゾンスター」
うさぎ座R星(R Lep)は、美しい深紅色から「クリムゾンスター」と呼ばれています。この星は炭素星に分類される赤色巨星で、ミラ型の変光星です。望遠鏡で観察すると、うさぎの目の様に真っ赤に輝く姿を見ることができますよ。
うさぎ座の神話

イラスト出典:すてられこーど

うさぎ座は、狩人オリオンの獲物として猟犬に追われる哀れなうさぎの姿だと言われています。
しかしもっとかわいそうな別のお話もあります。気性の激しいオリオンに手を焼いていた神様は、ある日「暴れん坊のオリオンが少しでもやさしくなれる様に…」と一羽のうさぎを遣わしました。しかしオリオンは、このうさぎにまったく気付かず踏み潰してしまうのです!哀れに思った神様は、うさぎを星座として天に上げました・・・が、何故かその位置はオリオンの足元。星座になった今でも、踏みつぶされるのを恐れてぴょんぴょんと逃げまわっているのです・・・。
最後に
うさぎ座は、オリオン座の近くにあり、その並びもうさぎの姿を連想しやすい形をしています。暗い奥三河の夜空であれば、意外と簡単に見つけることができますよ。
2023年は卯年。この年の最後に、防寒対策をしっかりしてうさぎ座を探してみてはいかがでしょうか。
おまけ ~ゆく年のうさぎ座、くる年のりゅう座~
2023年の干支は卯。そして、2024年は辰年ですね。実は夜空には大きな竜も浮かんでいます。りゅう座は北極星の近くにあり、一年を通して見ることができる星座です。1月初旬にはりゅう座が放射点である「しぶんぎ座流星群」が、10月にはりゅう座流星群(以前はジャコビニ流星群とよばれていました)がありますよ。
りゅう座の詳しいお話は2024年の奥三河星空コラムをお楽しみに。
ゆく年のうさぎ座を見送ったら、くる年はりゅう座にまつわる天体観測を楽しんで、良い年末年始をお過ごしください。

コラムby 奥三河星空案内人 横幕浩
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