1. HOME >
  2. コラム一覧 >
  3. そうだ奥三河に行こう!天の川の中にある小さな星座たち。

奥三河星空コラム

そうだ奥三河に行こう!天の川の中にある小さな星座たち。

そうだ奥三河に行こう!天の川の中にある小さな星座たち。

星のソムリエ®の横幕です。

今回は、夏の夜空に輝く「こぎつね座」「や座」「たて座」という、天の川の中にひっそりと佇む小さな星座たちに注目してみたいと思います。
星座の見つけ方

こぎつね座
こぎつね座は、まず、夜空で明るく輝く夏の大三角(こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブ)を探しましょう。
次に、夏の大三角を構成するベガ(こと座)とアルタイル(わし座)の間に注目してください。
このベガとアルタイルを結んだ線の中間あたり、少しはくちょう座側に寄ったあたりに、こぎつね座があります。
 

こぎつね座自体には目立つ明るい星はありませんが、双眼鏡を使うと「コートハンガー」と呼ばれる特徴的な星の並びを見つけることができます。これはアルビレオ(はくちょう座)の近くにあり、まさにハンガーのように一直線に並んだ星と、その下にフックのような星の並びが見えます。

このコートハンガーの周辺一帯が、こぎつね座の領域です。天の川の近くに位置しているので、暗い場所であれば、天の川のぼんやりとした光も目印になります。

や座
や座は、こぎつね座のすぐ下に、矢の形を想像しやすい星の並びとして見つけられます。こぎつね座と同様に、ベガとアルタイルを結んだ直線上にあるコートハンガーから、アルタイルの方へ少し目線をずらすと見つかります。一番明るい星は3等星のγ(ガンマ)星で、矢じりの根元にあたります。
 

たて座
たて座は、わし座からいて座の間、へび座の尻尾の横、天の川に埋もれるように位置しています。4等星と5等星がひし形に並んだ星座です。
 
星座の中の見どころ天体
それぞれの星座の中には、双眼鏡や望遠鏡で楽しめる魅力的な天体があります。

こぎつね座 M27 亜鈴(アレイ)状星雲
太陽と同じくらいから8倍程度の質量を持つ恒星が、その一生を終える姿です。恒星内部の核融合が終わり、表面のガスが膨張し、重力とガスの広がる力のバランスが崩れて宇宙空間に広がったものです。
 

こぎつね座 コートハンガー(コリンダー399)
その名の通り、洋服掛けのように星が並んだ散開星団です。真っ直ぐな部分にフックが付いているように見えます。
 

や座 M71 球状星団
球状星団ですが、散開星団のようにも見える珍しい天体です。
 

たて座 M11 散開星団
天の川の中にある散開星団で、星々がこじんまりと集まって美しい姿を見せてくれます。
 

たて座 M26散開星団
こちらも天の川の中にあり、まるで天の川に埋もれてしまいそうなほどです。
 
星座のいわれ

こぎつね座
17世紀末に設定された比較的新しい星座です。ガチョウをくわえたこぎつねの姿が描かれています。
 
や座
ギリシャ神話のエロス(別名キューピット)が放った矢だと言われています。この矢に当たると、たちまち恋に落ちるとされています。一体誰にこの矢を放ったのか、想像してみるのも楽しいかもしれませんね。
 

たて座
こぎつね座と同じく17世紀末に設定された星座です。この時代、天文学者は国王や貴族からの支援を受けていました。たて座も、ある天文学者が天文台を焼失した後、支援してくれた国王が戦果を挙げたことを記念して作られたと言われています。
 

今回ご紹介した星座たちは、天の川の中に位置するため、明るい星が少なく、街中ではなかなか見つけるのが難しいかもしれません。しかし、奥三河のような暗い夜空であれば、天の川の中に隠れる小さな星座たちを探すことができます。

夏の暑い夜、天の川のきらめきと共に、これらの小さな星座たちを巡る「天の川下り」を楽しんでみてはいかがでしょうか?
 
コラムby 奥三河星空案内人 星のソムリエ® 横幕浩
KEYWORD
#夏の星座 #こぎつね座 #や座 #たて座