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奥三河星空コラム

2026年 注目の天文現象 —奥三河の夜空で楽しむ一年 —

澄んだ星空が広がる奥三河では、2026年もさまざまな天文現象が私たちを楽しませてくれそうです。

2026年は、月明かりの少ない流星群や、夕方からゆっくり楽しめる皆既月食など、星空観察が初めての方にもおすすめできる現象がそろっています。

2026年は、ぜひ空を見上げる機会を増やしてみてください。
2026年はこんな年
— 注目ポイント —
2026年の天文現象の特徴を、まず簡単にまとめてみましょう。
 ・夏と冬の二大流星群が、月明かりの少ない好条件
 ・3月3日には、夕方から観察できる皆既月食
 ・木星や金星など、明るい惑星が見やすい一年
「特別な道具がなくても楽しめる現象」が多いのが、年の大きな魅力です。
2026年の見どころ
夏と冬、二つの流星群に注目!

冬のダイヤモンドとふたご座流星群(村松英男 2021年度奥三河星空写真コンテスト応募作品)


★8月13日 ペルセウス座流星群がピーク★
夏の星空を代表するペルセウス座流星群は、8月13日にピークを迎えます。
夏休みやお盆の時期と重なり、時間を確保しやすいのも嬉しいポイントです。
2026年は新月に近く、月明かりの影響がほとんどありません。空の暗い奥三河では、一晩中じっくり流れ星を楽しめそうです。
なお、「流星群」はピークの日だけでなく、ある程度の期間にわたって出現します。ペルセウス座流星群の活動期間は、7月17日ごろから8月24日ごろまで。
ピーク前後の晴れた夜に、ゆっくり空を眺めてみましょう。
★12月14日 ふたご座流星群がピーク★
一年を締めくくる流星群、ふたご座流星群は、12月14日にピークを迎えます。
冬本番の時期ですので、防寒対策は必須ですが、条件は非常に良好です。年は半月前の月が21時ごろに沈み、その後は月明かりのない状態で観察できそうです。
ふたご座流星群は、ピークの時間帯が比較的長いことでも知られています。
深夜から明け方にかけて、じっくり空を見上げてみてください。
 
3月3日 皆既月食を楽しもう(18時50分ごろ〜21時ごろ)

皆既月食(2025.9.8つぐ高原天文台にて撮影)


3月3日には、日本全国で皆既月食が見られます。
皆既月食とは、月が地球の影に完全に入り、太陽の光が直接届かなくなる天文現象です。
今回の月食は、夕方から夜にかけて進むため、前回(2025年9月)の月食よりも観察しやすい時間帯となっています。

予想時刻は次の通りです。
 ・部分食の始まり 18時49分
 ・皆既食の始まり 20時04分
 ・食の最大    20時33分
 ・皆既食の終わり 21時03分
 ・部分食の終わり 21時03分

皆既月食の最大の見どころは、「皆既」の時間帯です。
月は真っ暗になるのではなく、赤褐色にぼんやりと輝いて見えます。時間とともに変化する月の色や明るさを、ぜひゆっくり観察してみてください。
月全体が欠け始めから終わりまで見られる皆既月食は、次回は2029年1月1日の未明となります。
今回を逃すとしばらく見られない貴重な機会です。
惑星も見どころがたくさん!

木星(つぐ高原天文台にて撮影)


2026年は、惑星観察にも適した一年です。
惑星が最も見やすくなるのは、地球から見て太陽の反対側に位置する「衝(しょう)」の時期です。このタイミングでは、一晩中空に見え、明るさも最大になります。

★惑星の衝★
 ・1月10日 木星
 ・9月27日 海王星
 ・10月5日 土星
 ・11月26日 天王星
年明けすぐの1月10日には、ふたご座付近で木星が衝となり、ひときわ明るく輝きます。
秋以降は、海王星、土星、天王星が次々と見ごろを迎え、望遠鏡を使った観察も楽しい季節になります。
惑星は、いつでも同じように見られるわけではありません。ぜひ良いタイミングを逃さず、空を見上げてみましょう。

★金星の最大離角と見頃★
これまで明け方の東の空に見えていた金星は、3月中旬ごろから夕方の西の空へと移っていきます。
日が沈んだ後、日に日に西の空で高く輝くようになり、「宵の明星」として存在感を増していきます。夕方19時半ごろに空を見上げると、6月20日前後が金星を最も高い位置で観察できる時期となります。このころは高度が高く、空の暗い奥三河では特に目を引く明るさです。
その後、8月に東方最大離角を迎えます。最大離角とは、金星が太陽から最も離れて見えるタイミングのことで、この前後は夕方の空で比較的長い時間観察することができます。
最大離角を過ぎると、金星は再び太陽に近づき、徐々に高度を下げていきます。10月以降は夕方の空から姿を消し、再び明け方の東の空へと移動していきます。
2026年 注目の天文現象カレンダー
ここからは、2026年の主な天文現象を月ごとにまとめました。観察計画の参考にしてください。

 1月 4日 しぶんぎ座流星群がピーク
   10日 木星が衝
   30日 くじら座ミラが最大光度

 2月20日 水星が東方最大離角(夕方の西の低空)

 3月 3日 皆既月食(18時50分ごろ〜21時ごろ)

 4月 4日 水星が西方最大離角(明け方の東の低空)

 5月 6日 みずがめ座η流星群がピーク
   31日 2026年一番小さく見える満月(1ヶ月に2回目の満月「ブルームーン」)

 6月16日 水星が東方最大離角(夕方の西の低空)

 7月 7日 七夕
   28日 冥王星が衝(+15等級、望遠鏡で見てわかるか?)

 8月 2日 水星が西方最大離角(明け方の東の低空)
   13日 ペルセウス座流星群がピーク(月明りなく条件良い)
       ヨーロッパで皆既日食(日本では見られない)
   15日 金星が東方最大離角(夕方の西の空)
   19日 伝統的七夕(旧暦7月7日)

 9月19日 金星が最大光度(-4.8等)
   25日 中秋の名月(十五夜、芋名月、満月は翌々日27日)
   27日 海王星が衝

10月 5日 土星が衝
   11日 はくちょう座χが最大光度
   12日 水星が東方最大離角(夕方の西の低空)
   22日 オリオン座流星群がピーク
       金星が内合
   23日 後の月(十三夜、栗名月)

11月18日 しし座流星群がピーク
   21日 水星が西方最大離角(明け方の東の低空)
   26日 天王星が衝
   30日 金星が最大光度(-4.9等、明け方の東の空)

12月14日 ふたご座流星群がピーク
   24日 年一番大きく見える満月(スーパームーン)
星空は、いつでも楽しめる

星空観察会「天の川見えるかな」(横幕浩 2022年度奥三河星空写真コンテスト作品)


ここまで、2026年の注目の天文現象をご紹介してきました。
ですが、星空観察の魅力は、特別な現象があるときだけではありません。
晴れた夜に、ふと空を見上げる。
それだけでも、奥三河の夜空は十分に私たちを楽しませてくれます。
2026年も、星空観察会などを通して、皆さんと一緒に星空を楽しめることを楽しみにしています。

それでは、2026年も星空の下でお会いしましょう。

*今回の記事内で紹介した、天文現象の日時等のデータは、下記を参考にしています。
コラム by 奥三河☆星空の魅力を伝える会 星のソムリエ®︎ 萩野祐司
KEYWORD
#天文現象 #流星群 #皆既月食 #惑星