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奥三河星空コラム

2018年7月31日 火星大接近!

2018年7月31日 火星大接近!

東の空に明るく輝く星 それが火星
 最近、夜8時を過ぎると東の空から赤く(オレンジ?)明るく輝く星が昇ってきます。まわりに明るい星が多くない分とても目立って見えます。その星が、火星です。
 この夏、地球から6,000万kmまで接近して、ひと際明るく輝いて見えるようになります。
今年は大接近
 こうした明るく輝く火星は、約2年2ヶ月ごとに見られます。前回は2016年5月でした。そのときの地球−火星の距離は約7,500万km。今回の接近がそれと比べてもかなり近いことがわかります。その分、明るく大きく見えるようになります。

 どうして、接近するごとに距離が変わるのか。それは、地球の公転軌道がほぼ円であるのに対して、火星の軌道が楕円になっているためです。楕円の長いところで接近を迎えれば、その距離が大きくなるし、楕円の短いところで接近を迎えれば、距離が小さくなります。今回は、接近時に、その距離が6,000万kmを割り込み5,759万kmになる「大接近」と呼ばれるほどに近づきます。

*その位置関係について詳しくは、
 国立天文台「火星の接近」のページ
  https://www.nao.ac.jp/astro/basic/mars-approach.html
 
県立ぐんま天文台「火星までの距離~小接近と大接近」のページ
 http://www.astron.pref.gunma.jp/flash/mars2.html

等が参考になります。
火星大接近の楽しみ方
 その火星大接近をどう楽しむか。私の一番のおススメは、「肉眼で見る」です。すでに、地球との距離が6,000万kmを切り、その様子も大接近を迎える7月31日に近い状態になっています。現在−2.6等級。最接近時には−2.8等級まで明るくなります。最近日没後南の空に見える木星よりも明るく見られます。
 ところが、最接近のあとは、だんだん地球との距離が大きくなっていきます。当然、少しずつですが、暗くなっていきます。1か月後の9月初めに−2等級、10月になると−1等級へとだんだん暗くなっていくようすが見られます。その変化のようすを継続的に観察することで、その遠ざかるようすを感じることができるのではないでしょうか。
 もちろん望遠鏡で火星表面のようすを観察するのも、惑星観察の醍醐味のひとつです。大接近時には比較的小さな望遠鏡でもその表面のようすが見られます。当然、大きな望遠鏡で見れば、その細かな様子が分かるといいたいところですが、…そうは簡単に行かないのが現実のようです。ここ数日は、火星に嵐が吹き荒れて、表面の様子がほとんど見えないという日が続いています。地球の大気のようすや火星の天気の様子でその見え方は変わってくるのです。大接近だからこそ見える、地球の隣の惑星のようすも、望遠鏡の観察で感じてもらえると嬉しいですね。

奥三河☆星空の魅力を伝える会 星空案内人 萩野祐司
KEYWORD
#火星 #火星大接近 #惑星 #天体観測