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奥三河星空コラム

そうだ奥三河へ行こう!暗い夜空を求めて~おうし座にまつわるお話~

冬のダイヤモンド

星空案内人、横幕です。

一等星が輝くとても華やかな星空の季節、冬も残すところあと僅かですね。
先日は冬の星座の代表格「オリオン座」のお話をさせていただきました。
今回はオリオン座のお隣の星座「おうし座」をご紹介させていただきます。
冬の星座 おうし座

おうし座

オリオン座の三ツ星から右方向に視点をうつすと、オレンジ色に近い赤い色の星が見えます。
この星はアルデバランと言い、おうし座の一等星です。

次は、アルデバランの周辺を見てみましょう。
Vの字の様な配列で星が並んでいますね。
これはヒアデス星団と呼ばれ、星座絵を見ると、ここが丁度牡牛の顔になります。
アルデバランは牡牛の目といった所でしょうか。
(アルデバランは同じ方向にありますが、ヒアデス星団には含まれません)

顔のV字を伸ばして行くとそれぞれ明るい星に行きつきます。
これで牡牛の二本のツノが出来上がりました。

また、アルデバランから右へ行くと、何やら星がごちゃごちゃと集まっている所があります。
これはM45プレアデス星団。
和名は「すばる」とよばれ、某車メーカーの企業名としても知られています。
ここは牡牛の肩のあたりになります。

それでは、この牡牛が登場する神話のお話しをご紹介しましょう。
大神ゼウスが化けた牡牛のお話

大神ゼウス

大神ゼウスはギリシャ神話にでてくる神々の中心的存在で、全知全能とも呼ばれる偉大な神様。
宇宙を支配し天候を操る神として人々に崇められていましたが、その一方、美しい女の人に目がない浮気性の神様でもあります。

ある日ゼウスの耳に「フェニキアの国の王女エウロパは絶世の美女だ」という噂話が届きました。
そこでゼウスが下界を見下ろすと野原で遊んでいるエウロパを見つけました。
噂話に違わない美しさに魅了されたゼウスは、大きな牡牛に姿を変えてエウロパに近づくことにしました。

人懐っこく、美しい毛並みの牡牛に心を許したエウロパは、頭や背中を撫でてやりました。
そしてうっかり、背中に腰を下ろしてしまったのです。

その途端、牛は立ち上がり、猛然と駆けだしました!
エウロパは振り落とされないように必死に角にしがみつきます。

西へ西へ、野を駆け、山を越え、ついには海を渡り、クレタ島に辿り着いた牡牛は大神の姿をあらわし、エウロパに思いを告げるのでした・・・。

おうし座 星座絵

この神話に出てくる、海を駆け抜ける牡牛(ゼウス)の姿が、おうし座として夜空に輝いていると言われています。
またエウロパがさらわれた、フェニキア(現在のレバノン)から西に位置する土地周辺を、彼女の名前からヨーロッパと呼ぶようになったとも。

とんでもないお話ですが、壮大ですね。
お話を思い浮かべながら、星座を見つけるのも夜空の楽しみの1つですよ。


美しい1等星が華やかに輝く季節、星座の神話に思いを馳せながら夜空を眺めてみてはいかがでしょうか?
愛知県の星空の聖地奥三河でお待ちしております。

コラムby 星空案内人 横幕浩

★イラスト出典 かわいいフリー素材集いらすとや
KEYWORD
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