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奥三河星空コラム

そうだ奥三河へ行こう!春の星空「北斗七星」にまつわるお話

春の夜空

星空案内人の横幕です。

春の足音が大きくなってきたこの頃ですが、星空もだんだん春めいてきました。
夜遅くにはオリオンも西に傾き、春の星座が見えるようになります。

今回は、春の星空で有名な「北斗七星」にまつわるお話をご紹介いたします。
北斗七星にまつわるお話

おおぐま座とこぐま座

春の星座探しは、北の空にある7つの星『北斗七星』を見つける事から始まります。
「斗」とは「ひしゃく」の事で、日本では飛鳥時代に中国から天文学と共にその名前が伝わったと言います。

北斗七星は「おおぐま座」の一部で、大きな熊の背中からしっぽに当たる部分です。
おおぐま座は全天で88個ある星座の中でも3番目に大きい星座なので、星座線を結べるようになるとその大きさに驚かされますよ。

おおぐま座の近くには「こぐま座」がありますが、その形は小さくした北斗七星。
その為「小北斗」と呼ばれる事があります。

ギリシャ神話によると、おおぐま座は森の妖精カリストが姿を変えたものだと言われています。

それでは星座にまつわるお話をご紹介いたしましょう。
おおぐま座とこぐま座にまつわるお話

おおぐま座とこぐま座

美しい森の妖精カリストは、大神ゼウスに見初められ、アルカスという名前の息子をもうけました。

しかし、ゼウスの正妻で大変嫉妬深い女神ヘラはその事を許さず、カリストは呪いで姿を熊に変えられてしまいます。

どうする事もできないカリストは、森の中で暮らす事となりました。

残された息子のアルカスは、親切な人に拾われて立派な狩人に成長しました。
ある日アルカスが狩の為に森へ入ると、一頭の大きな熊に出会いました。
熊は凄い勢いでこちら向かってきます。

この熊こそ、姿を変えられたカリスト。
息子に会えた喜びで駆けよって来たのです。

そんな事とは知らず、襲われると勘違いをしたアルカスは矢をつがえ、熊の心臓を狙います。

・・・その様子を天上で見ていたゼウスは急いで二人を空に上げ、カリストをおおぐま座、アルカスをこぐま座の星座に変えました。
その際、大変慌ていたゼウスは、熊のしっぽを掴んで振り回しながら空へと放り投げた為、おおぐま座とこぐま座の熊のしっぽは異様に長くなったそうです。

ゼウスに愛され、天の栄誉である星座となった二人をヘラは許さず、他の星座の様に1日に1度、海に入って休息する事ができない様にしてしまいました。
その為、熊の親子は休むことなく北の空を回っているのです・・・。

ゼウス夫妻に巻き込まれた親子の何とも悲しいお話でした。


では次に、北斗七星から結べる「春の大曲線」をご紹介いたしましょう。
春の大曲線の見つけ方

春の大曲線

北斗七星のひしゃくの柄のカーブの角度そのままに視点を移していくと、東の空に明るい星が見つかります。

黄色っぽい色のアルクトゥールス、うしかい座の一等星です。

更に視点を移していくと、白く輝く星にぶつかります。
これは、おとめ座のスピカです。

更にその先には、暗めの星ですが台形の形をした4つの星があります。それがからす座です。

北斗七星の柄の部分から、アルクトゥールス、スピカ、からす座まで結ぶ線を、春の大曲線と言います。

春の星座や一等星を見つけるのに役立つので、是非覚えてくださいね。

その他にも春の夜空には、しし座やかに座など星占いに出てくる、皆さんも一度は名前を聞いたことがある星座が輝いています。
詳しいお話はまた別の機会に。

皆さんも星空に思いを馳せながら夜空を眺めてみてはいかがでしょうか?

愛知県の星空の聖地奥三河でお待ちしております。


コラムby 星空案内人 横幕浩

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