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奥三河星空コラム

中秋の名月 2023

2015年9月25日 中秋の名月



今年の中秋の名月は、9月29日金曜日です。奥三河での月の出は17:41。ちょうどぴったり満月になるのは18:58ですから、月の出から1時間くらい、山際から昇ったころで満月となりそうです。
中秋の名月の豆知識
中秋の名月は、旧暦の八月十五日の月のことをいいます。
私たちが現在使用しているグレゴリオ暦より以前に使用されていた旧暦では、七月・八月・九月を秋と称し、その秋の真ん中である八月が「中秋」と呼ばれます。
また、月の満ち欠けでひと月の長さを決める旧暦では、原則として新月の日を一日(朔日・ついたち)とし、約十五日(十五夜)で満月を迎えます。
ただし、月の公転速度の関係で、完全な満月とならず、年によっては少し欠けていることもありますが、2023年は正真正銘の満月となります。
中秋のころは、湿気が減り空気が澄んで1年で最も月がきれいに見えること、また月が空の良い位置に昇り、観望をするのに適していることから名月と呼ばれるようになりました。
9月の満月は、コーンムーン(Corn Moon)と呼ばれ、秋分の日(9月23日)に近い満月は、ハーベストムーン(Harvest Moon)とも呼ばれます。
 9月29日の満月の地球からの距離は、およそ39万3000km。ちょっと遠めの小さめ満月です。
 というわけで今年の中秋の名月は、
「コーンムーンのハーベストムーンで、満月ですが、スーパームーンではありません」
月の錯視
ところで、山際から昇ったばかり月は、大きく見えます。これは、そう見えるだけで実際に大きいわけではありません。昇ったばかりの満月を五円玉の穴を通して見て、その後、天高く昇った月を同じように見てみれば確かめることができます。「月の近くに山や地平線や水平線があり、大きさを比べるものがあると大きく見える。天高く昇って周りに比べるものがないと小さく見える。」と、私は自分を納得させていますが、ビルの谷間から天高く昇る月を見ても大きくは見えない…。この不思議なことだけで本が1冊書かれています。著者は天文学者でも物理学者でもなく「心理学者」です。

「月の錯視 なぜ大きく見えるのか」
 (Helen Ross, Conelis Plug著 東山篤規訳 勁草書房2014)

この月の大きさの錯覚については古来2000年以上前から論じられ、絵にも描かれていますが、結論はまだない。ということのようです。最近、名古屋市科学館のWebサイト「天文情報」にも、今年8月のスーパームーン(今年一番近くて大きな満月)の解説として書かれていて、永遠のテーマのようです。
それでは、古来より愛されてきた月のお話や謎を考えながら、今年の中秋の名月を愛でることにしましょう。
奥三河星空コラム 中秋の名月関係のリンクがあります。

コラムby つぐ高原天文台長・星のソムリエ® 平野宗弘
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