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奥三河星空コラム

ふたご座流星群を見よう!2018年

ふたご座流星群を見よう!2018

12月14日(金)21時頃に極大を迎えるふたご座流星群は、「三大流星群」の一つに数えられ、1時間に50~60個程の流星が現れるといわれています。
今年は、上弦前の月が22時過ぎに沈み、夜半から夜明け前までが観察の好機となります。
おすすめする観察候補日ですが、
【第一候補】12月14日(金)夜半~15日(土)夜明けまで
【第二候補】12月13日(木)夜半~14日(金)夜明けまで
【第三候補】12月15日(土)夜半~16日(日)夜明けまで
※15日は奥三河総合センターで「奥三河星空フェスタ2018」開催!
です。夜はたいへん冷え込みます。

流星観察は外で長時間過ごすこととなりますので冬の想像を絶する寒さへの対策をしっかり行って臨みたいですね。
流星観察の注意事項等については昨年の私のコラムをご覧ください。
 さて、ふたご座流星群について少し紐解いてみましょう。
一晩で見られる流星数では年間最大級のふたご座流星群ですが、19世紀以前の記録はほとんど残っていないそうです。
20世紀(1900年代)に入ると徐々に観測されるようになりましたが20世紀前半の出現数はあまり多くありませんでした。
「21世紀にはふたご座流星群が見えなくなるのではないか?」とまで言われていたそうです。

ところが1930年~1950年頃から徐々に流星数が増加してゆき、1970年代からは現在と遜色ない出現数まで上昇してきました。
21世紀に入ってもその活動は活発そのもので、特に近年はこれまでのふたご座流星群ではなかなか見られなかった明るい流星(火球)も見られるようになり活発な活動が継続しています。

 この出現数の変化は19世紀以前にはふたご座流星群の元となる流星物質の流れが地球と接していなかったためと考えられています。母天体(流星の元となる物質を供給する天体)も発見され,その母天体フェートン(3200 Phaethon、ファエトンとも呼ばれる)の軌道が2223年に再接近するという結果がわかると、現在では「当面はこのままの出現数を維持するのではないか」と言われるようになりました。
ところで、流星群は彗星活動により放出されたダスト(ちり)が起源だと考えられており、一般的に流星群の母天体は彗星であることがほとんどです。
※以下主な流星群と母天体

主な流星群と母天体

ふたご座流星群の母天体であるフェートンは1.43年の公転周期を持つ小惑星(近地球型小惑星)に分類されています。

現在のところフェートンからは彗星の特徴であるコマ(中心部分である核を取り巻く部分)やダストテイル(コマから伸びる尾)などは観測されていません。
分光器などの観測により、組成は彗星に近いようなものであると考えられています。

長年の活動により噴き出す物質が少なくなり彗星としての活動を終え小惑星のようになったものであると考えられています。

ただ、このような過渡期な天体の起源や物質の変化については研究途上で分からないことが多く、多くの謎が残されています。
最後に、12月15日(土)奥三河総合センターで「星空フェスタ2018」が開催されます。
こたつに入りながら星空を眺めることができます。極大日翌日ですが流星を見られるかもしれませんよ。
コラムBy
奥三河☆星空の魅力を伝える会 代表 後藤修一
KEYWORD
#流星群 #ふたご座流星群 #流れ星