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奥三河星空コラム

奥三河なら見える星座 春編

奥三河の星空は、全国でも屈指の暗さを誇ります。環境省が行っている定点観察からも、全国の星空の有名地点と肩を並べる素晴らしい星空があることが明らかになっています。

そんな奥三河の星空だからこそ、ぜひ見つけてほしい星座があります。
街明かりの中ではなかなか見つけられない星座たちです。街中では人々が生活するための灯りの影響でその微かな輝きがかき消されてしまう…。
そんな日頃はひっそりと輝く星々を奥三河でぜひ探して見つけてみてください。

今回は、春に探してほしい「奥三河なら見える星座 春編」をお届けします。
こじし座、やまねこ座

こじし座,やまねこ座

《画像提供:Mitaka:(c)2005-2020 加藤恒彦, 4D2U Project, NAOJ》

北斗七星で有名なおおぐま座と春の代表星座しし座の間にある星座が、四等星以下の星だけでできたこじし座と一つだけ三等星あとは四等星以下の星でできたやまねこ座です。
こじじ座もやまねこ座も天文学者ヘヴェリウスが設定したといわれています。ヘヴェリウス自身、「ここに山猫の姿を見るのには、山猫のような鋭い目がいるのだ」と書いているほどあまり目立たない星座なのです。
何もない大きな2つの星座の間に、そのあいた空間を埋めるようにヘヴェリウスが書き足した星座と言えるでしょう。成り立ちも神話も何もないちょっと寂しい星座ですが、おおぐま座としし座の間をじっくり眺めて、小獅子と山猫の姿を探してみましょう。
かみのけ座

かみのけ座

《画像提供:Mitaka:(c)2005-2020 加藤恒彦, 4D2U Project, NAOJ》

しし座、うしかい座、おおぐま座のちょうど真ん中あたりにあるのが、かみのけ座です。
四等星より暗い星ばかりの星座で、しっかり目を暗さに慣らして、はじめて何となくごちゃごちゃと星がたくさん集まっている様子が分かるようになります。この星座は、先の2つの星座とは異なり、古代ギリシアのエラトステネスによる記述もあるという歴史ある星座ですが、その後はしばらく忘れられ、17世紀以降、ティコ・ブラーエの星表により定着した星座です。
実は、この星座の大部分はメロッテ111という番号がついている星団だということがわかっています。加えて、かみのけ座銀河団やおとめ座銀河団があって、私たち天の川銀河から遥か彼方にある系外銀河もたくさんあることが知られています。街明かりのあるところではその存在すらわからない星座ですが、多くの星が、天体がそこには存在しているのです。
ところで、「かみのけ」って誰の?と思いませんか?
実はちゃんとラテン語では「Coma Berenices(ベレニケのかみのけ座)」と髪の毛の主の名前もついています。そうなると、ベレニケって誰?ってなりそうですね。詳しくはまたの機会に…。

コラムby
奥三河☆星空の魅力を伝える会 星空案内人 萩野祐司
星座の見つけ方は、下記コラムも参考にしてください。
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